河川工学とはどういう学問か?
- yukihiroshimatani
- 2017年2月22日
- 読了時間: 2分
河川工学の試験で学生に「河川工学とはどういう学問か?」と問いかけたところ、大変、素晴らしい回答がありました。ご紹介します。
「河川とは限られた空間において、攪乱と復元が繰り返され、山域から海域までが1つの連続体となっている。その中で、生物多様性が形成され、人々は河川を利用し生活を営んでいる。そういったことを踏まえたうえで、治水、利水、環境面から人々の暮らしと環境の調和が達成するように河川の管理方法を追求していく学問。」
「河川工学とは河川についてのあらゆることを知ったうえで、治水、利水、環境、全てにおいて1つでも欠かさぬように河川をどう変化させるかを考える学問である」
「河川というものが人やその他の生物や環境地球にとってどういった意味をもっているのかを考え、正しい河川の形を追求する学問である。」
「地形や生物、メカニズムといった河川の特徴を学び治水の方策について学ぶ。河川の特徴を作っている要因には流域に住む人々の生活や文化も含まれる。」
「河川工学とは川を治水・利水・環境の観点からいかにして共生しながら利用していくかを考える学問である。しかし、ただ治水・利水・環境の知識があれば河川工学ができるとは限らない。川には一つ一つ個性があり地形的特徴、地質的特徴、そこに住む人々や生物、歴史など、どの川を例に挙げても1つとして同じものは存在しない。加えて、1つの川を考えたとしても、上流と下流、雨が降っていると降っていないとき、夏と冬など時間的・場所的に変動が大きいことも川の特徴の一つである。また、相手にするのは川だけではない。その川の近くに住む人々、その川を利用している人々はもちろんのこと、その川に住む生物も対象の一つである。したがって、川の個性・特徴と向き合い、そこに住む人々・生物を尊重しながら、その川に合った治水・利水・環境への配慮を行うことが河川工学という学問である。」
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