分散型の社会における雨水管理
いわゆる第4次産業革命が進展する中、分散型の社会への移行は着実に高まっている。自動運転、ネットショッピング、遠隔医療、3Dプリンターそれらは、確実に分散型社会へ寄与するものである。第4次産業革命とは、コンピューターが社会に入り込む時代であり、AIに代表される革命である。
AmazonやGoogleにみられるように情報は集中し、人々は情報の管理を受ける可能性がある社会である。一方で人々はこれまでの単純労働から解放されもっと自由になる可能性も秘めた社会である。後者になることを私は望むが、どうなるかは人間次第であろう。
今、私たちが進めようとしている「あまみず社会」研究はあまみずの貯留・浸透を促進することによって水管理を可視化し、水管理の分散化を進めようとする研究である。各家庭に水を貯留することは空間の制約やコストの面からなかなか難しいのであるが、実は大きな可能性がある。
意外と知られていないのであるが、雨量は高さで表現されている。1日の降雨量が100㎜をこえましたとか、時間雨量50㎜をこえる激しい豪雨に見舞われましたなどのニュースが報じられることがあるが、これは高さ(水の深さ)100㎜あるいは50㎜の雨が降ったということである。
一軒の家(敷地は60坪(200㎡)程度とすると)に1年間に1500mmの降雨があれば300㎥の水が天から降ってくることになる。1人大体1日200ℓの水を使っているので、1年間では1人約70㎥程度使っていることになる。60坪の家であれば4人が使う雨が1軒の敷地に降っていることになる。
降ってくる雨をすべて貯めて使うことは不可能であるが、何割かの水を使うことができる水に転換することは十分に可能である。節約された水によってダムに余裕が出れば、温暖化による豪雨に備えればよい。